翻訳できない世界の言葉

2016/4/11 エラ・フランシス・サンダース(), 前田 まゆみ(翻訳) 

内容紹介 外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。「だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみる」現象に名前をつけたいと思ったイヌイットたちが、IKUTSUARPOK/イクトゥアルポクと言い出したのかもしれない。「日が暮れたあと遅くまで夜更かしして友達と楽しく過ごすこと」ばかりしていた連中が、アラビア語でSAMAR/サマルと名づけたのではないか。本書が単なる珍しい言葉の羅列ではなく読んでいてとても楽しい本になっているのは、そんな風に、ことばを使っている人やコミュニティに想像を巡らせられるからだと思う。3杯目のおかわり」にわざわざTRETAR/トレートールと名前をつけるなんてスウェーデン人はおしゃべりが好きなのかなとか、「ウイスキーを一口飲む前に上唇に感じる妙なムズムズする感じ」を識別してSGRIOB/スグリーブとゲール語で呼ぶスコットランド人はどんだけ酒好きなんだとか、ことばに蓄積されたコミュニティの記憶を楽しめる。