相生結び2

水引の結びの多くは、相手に対する思いをかたちにしたものですが、この相生結びは、相手と自分の両方を思う気持ちを表しています。「相生」とは本来、ともに育つという意。「相生の松」といえば、二本の松が一つ根から生えているように寄り添っているものを指し、兵庫県の高砂神社のものが有名です。松はもともと「長寿」を表しますが、「相生の松」は特に夫婦仲の深さや縁結び、和合を象徴するものとして大切にされてきました。 相生結びもまた「相生の松」のように、深い思いやりで結ばれた夫婦愛やお互いの健康や幸運を願う友情といった思いを込め、「ともに願う」場面で使われてきたもの。何度も交差しながらかたち作っていくところに、その思いの深さが現れているようです。格子状の部分が二重になった「二重相生」という結びもありますが、本書で紹介しているのは一重の結びです。ところで結びの中に二つ重なったハートが見えませんか。「相思相愛」結びと呼べるかもしれません。水引デザイン